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人生の記録

【読了】ベトナムのことが3時間でわかる本

ビジネスでベトナム関係する方の入門書として超絶おすすめです。

そもそもこのように現地での長年のビジネス経験を元にまとまった情報を提供している本は他にないかなと思います。まずはこの本で勉強するのがおすすめ。ベトナムの歴史から、現地ビジネスを始める上での法律や税務関連など含めて必須の知識が書かれてると思います。今後困ったら著者 福森哲也さんに相談したいなと思いました。手元においておきたいバイブル本。

メモです

基本

  • GDP成長率7.1%、世界で7番目の成長率(コロナ前)
    • 日本は0.3%(2019)、アメリカは2.2%
    • 原動力は若くて豊富な労働力
    • 人数が多く優秀、理数系に強く言語能力高い、向上心が高いがプライドも高め、女性は特に優秀で勤勉、意志も強い
  • 環境
    • スマフォ浸透、SNS利用がすごい(FB, Zalo, LINE)
    • バイク、タクシー配送のGrubがインフラ化
    • 料理がおいしい、エビが鉄板、お財布に余裕があればシャコ
    • 世界遺産が8つ
    • 北部:首都ハノイ、政治・文化・教育の中心、ホーチミン
      • 詩を一緒に吟じる仲間と時間を大切にする
    • 中部:ダナン、観光・IT
      • 貧しく常に紛争に巻き込まれてた
      • 土地やお金などの現実的な利益を大切にする
    • 南部:ホーチミン、最大の商業都市・東洋のパリ
      • 南国で自然の恵みがある
      • 楽しく咲くぉ酌み交わせる遊び仲間や時間を大切にする
    • ベトナム人はしたたか&超現実主義
    • 54の民族からなる多民族国家
    • 女性の労働参加率は世界最高レベル
    • 語学、英語、日本語も人気、次に中国語・韓国語
    • 旧日本のような不動産神話あり。結婚時には不動産を買う。
    • 東急多摩田園都市ベトナムに輸出(日本の成功パターンをベトナムへ)
    • ホーチミン日本商工会議所がある

    # 歴史

    • 社会主義
      • 個人の土地所有は認められない(全国民のもの)
      • 厳しい報道・出版規制
      • 公務員・国営企業が経済を握る
      • 公的期間での医師蹴ってはの強い構成力
      • 共産党1党主義
      • 立憲、司法が整備しきれなく、賄賂や執行逃れも容易な面も
        • 裁判結果予測不可能・賄賂や縁故が強い・勝訴しても執行には多くの困難

      # ASEAN ベトナム経済の未来

これからのベトナム事業進出

  • 優遇業種
    • 製造・IT
    • ITは15年間法人税がほとんどかからない優遇
    • 大半の業種は外資100%OK
  • 規制業種
    • 照射、小売、不動産、物流、旅行、人材、金融、広告、エンタメなど227の分野は条件付き
    • ベトナム資本との合弁義務、最低資本金、実務においての様々な規制
    • 外資規制の法令は朝令暮改なので注意、専門家へ相談、見解が分かれるので複数の意見を
  • 進出支援サービス
    • 進出相談、市場調査、会社設立、会計事務所、法理事務所、オフィス仲介、内装工事、工業団地、ゼネコン、人材採用
    • 進出検討から事業開始までほぼフルラインのサービスが揃っている
    • 最初の情報源として銀行が有用(まずはメガバンク)
    • 現地視察の際はJETROで情報収集を
    • リスクやネガティブな助言をする専門家を味方に
    • 進出先は?
      • 最初に設立した場所が本社
      • 本社の市・省外への移転は非常に難しい
      • ハノイホーチミンにするかで文化的な違い、ビジネス環境的な違いが大きい
      • 製造・ITは南部と北部に2分
    • M&Aでも新規と同じくらいかそれ以上の期間外必要
      • 売買や事業譲渡など他の方法もある
      • ベトナムローカル企業は自己管理が厳しくないケースがあり、税務・法務リスクが高い場合がある
  • 撤退のリスクシナリオ
    • ベトナム内需の開拓は容易ではなく時間がかかる
    • 競争が激化している
    • 会社精算のハードルが高い、作る時より大変(税務調査が厳しい、数年かかることも)
    • 売却して撤退が雇用を守れる、税務調査がないというメリットも
    • デューデリジェンス
  • 駐在員事務所の検討
    • 現地法人、視点、駐在員事務所の3形態
    • 支店は銀行や弁護士など限られた業種のみ許可
    • 駐在員事務所は、市場調査、本社との取次のみに限定
    • 駐在員事務所設立検討の価値
      1. 法人設立前の準備(法人撤退はハードル高い)
      2. 現地法人との合併(駐在員のコスト負担を本社負担で合併企業のコスト負担軽減)
      3. ベトナム居住になると駐在の税金や福利厚生でコスト高
        1. 現地法人の社長はベトナム居住が条件
        2. 駐在員事務所の所長は出張ベースでもOK
  • 駐在員事務所の注意事項
    • 2015年以前は駐在員の活動が広く、マーケ、人材管理、投資、営業活動なども行っていた
    • 今後は取締が増えることあ想定される
  • ノミニー
    • 知人のベトナム人などに登記上出資してもらう名義借り(ノミニー)
    • リスク
      • 名義人とのトラブル時に保護されず解決できない
      • 登記上の出資者ではないので、利益を日本に持ち帰れない
      • 外資企業にスイッチする場合の監査リスク(費用と時間がかかる場合がある)
  • 製造業は覚悟と柔軟性が必要
  • 撤退予備会社が多い
  • ベトナムにおけるIT
    • ITエンジにはベトナム人男性の憧れの職業
    • 150以上の大学がIT教育、毎年5万のエンジニアが卒業
    • ハノイ工科大学が一番人気
    • 通常は20%の法人税、ソフトウェア開発は15年間の優遇税10%
    • 課税所得発生後(黒字)、9年間は50%減税(15年間5%以下にも)
  • 不動産
    • 日系も進出ラッシュ
  • ホテル観光業の進出
  • 医療・介護・ヘルスケア産業
    • 親の介護は子供の責任という文化、しかし介護のニーズが増えてきている
    • 2049年には平均年齢40歳に
    • 日本のヘルスケア産業も進出
  • 急加速するEC産業
    • 2019年のマーケット成長が40%
    • 偽物対策とオンライン決済の普及が鍵
      • クレカの普及率が4.5%
      • 生鮮食品や教育コンテンツも
  • ベトナムでの起業
  • 袖の下
    • 腐敗防止が進んでいるが賄賂を要求されることがある
    • 税務調査や税関調査時など当局調査時が多い
    • ただし、襟をただした経営であれば払う必要はない
    • 袖の下は想定外の出費やリスクに
    • コンプライアンスを守り健全な企業へ
  • 法律
    • 日本と異なる、法律と実務の剥離、法令の改正・運用変更が頻繁
    • 起業するにはライセンス
      • 投資登録証明書
      • 企業登録証明書
      • 制限業種は追加で各管轄省庁のビジネスラインセス
    • ベトナム企業と紛争した場合、日本や外国で裁判しても強制執行できない
    • 仲裁やベトナムで裁判の必要がある
    • 整備できてないので手続きが安定してなく、時間と費用がかかる可能性がある
    • 特に土地に関しては要注意
    • 労働者保護が手厚い( 簡単に解雇が難しい)
      • 労働契約書を締結
      • 就業規則作成し労働局に登録
    • 法令を大切にする、地域によって独自ルールがあるが文書をよみ行政と交渉する
  • 税金
    • 日本に似ている所も多いがベトナム特有なものがあるので注意
    • 駐在員の所得税
      • 累進課税で最高所得税35%だが実際は7割程度に
      • 日本の手取り給与、給与以外の手当への課税
      • 会社負担の家賃や海外駐在手当など福利厚生も含む
      • 月の手取り40、家賃など課税手当30、税込所得100、所得税30
      • コストは年収の2.5倍程度、ベトナムオフィスワーカー10人、工場ワーカー数十人のコスト
    • 厳しい税務調査
      • 税務署員の権限が強く、不合理な指摘も
      • 遅延利息が10.95%過去10年に遡ってかかる
      • リスク回避のため普段から保守的な申告を
    • 配当は源泉税なし
      • 日本へ送金の場合、一般的に10%かかる税金がベトナムにはない

    # 成長意欲旺盛なベトナム人と働く

    • 家族優先で単身分にはご法度
    • 社員旅行など会社行事も家族参加
    • 公立がメインの学歴社会
    • 平均年収30万、相続税が実質かからない、預金金利が高いことから貧富の差が大きい
    • 名門大学卒業ホワイトカラーの場合、30歳で10万〜20万
    • 日経より外資系企業の給与水準が高い、ローカル企業の方が高い場合も
    • 年収以上の買い物をする購買意欲がある
    • 金利10以上のローンで不動産購入も。初めの月はほとんど金利だけを払うケースでも購入。
    • 解雇や減給が厳しいが、最長2ヶ月の使用期間と、その後2回までの有機契約が認められている
      • 有機契約の間に評価がないと不採用となるのが当たり前
      • 人事評価を徹底的に行う
    • エンジニアや工場リーダーよりも経理・総務から採用を推奨。経理はアウトソースも。
    • 慣れてきたら新卒がおすすめ
    • ITや重労働の向上は男性だが、民家員企業で働く女性がかなり多い
    • 出産後半年で復帰、産休中でも復帰を考え仕事の希望も
      • 年2回女性の日があり、ささやかなプレゼントでも想像以上に喜ばれる(バラやメッセージカード)
    • 高度人材は日系企業を見ていない、欧米企業やローカル大手企業へ(日経企業では日本人より出世できないと思われている)
      • 高給採用は変動ボーナスや試用期間で見極め、解雇や減給が難しいため慎重に
    • 朝食を外食し、同僚とコーヒーを飲んで出社が定番、カフェで商談も

ベトナムに住む

  • 駐在員が住みやすい国第2位、日本は39位
  • 医療が発展、日経や通訳サービスも充実
  • ドン
    • VNDと表記
    • 1円181ドン、1万が181万ドン
    • 20万ドン札が1000円、10万ドン札が500円くらいの感覚
    • クレカや両替所があるのでドンがなくても困ることは少ない(たまに悪質な両替所があるので注意)
    • クレカ普及率低い、銀行カードに付属のデビット機能がある
    • 銀行のオンライン口座アプリ、電子決済(MOMOやMOCA)も増えて行きてる
    • ローカルレストランでもクレカ決裁が増えてきている
    • チップ文化ではないが、マッサージなどの一部店は慣例的に必要、いいサービスを受けた場合は少額でも喜ばれる
  • 外国人でもベトナム不動産が買える
    • ベトナムに入国可能な外国人
    • 集合住宅の購入は全戸数30%まで、戸建ては1街区につき250戸以下
    • 物件の価格は上がり続けている(1.5-2倍)
    • 現状は物件を賃貸、転売、日本送金はできているが、法令や運用がすぐ変わる可能性がある > 専門家へ相談を
  • 祝日が少ない、年間10日
  • 旧正月が最大のイベント(企業活動や行政が手続きがほぼストップ)
  • ベトナムは社員旅行実施会社が多い